講師の目線、生徒の目線
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こんにちは!ドラマーの辻川郷です。自分への戒めも込めて以前Twitterで見かけてずっと心に残っている出来事を紹介したいと思います。

Twitter上での見知らぬ人同士のやりとり

このお話は、以前Twitterで見かけた出来事なのですが、ある講師の方が「前回のレッスンであるフォームを教えたら、何となくそのフォームは出来ているけど音が全然その音になってない。フォームのその先にある音が大事なのにフォームばかりに目が行って音がダメなら本末転倒だ。」みたいなツイートをしてて、まあ確かにその通りではあるなと思いながら特に深く考えずにリプライ欄を見たら眼から鱗が落ちました。
その講師方の生徒ではないみたいだけど、どこか別のところで楽器を習ってる人がリプライしていました。ツイ主の講師の方と何回かやりとりされてて、それを要約すると、「あなた方は音楽ができる人たちだからそれが当たり前なんでしょうけど、僕からしたらフォームのその先にある音なんてとても追えなくて、教えられたフォームを真似ることで精いっぱいです。それを一生懸命練習してるんです。一生懸命練習してきたそれをフォームだけできて音がダメ、なんて言わないでください。」こんな感じのツイートだったんです。本当にハッとしました。

「できる」側が教えることの危うさ

楽器に限らず、講師やインストラクターなど、何かを教えることを仕事にしている人は、その教えているものに対しての知識や技術が当然一般の人よりはあるわけですね。それが何十人、何百人と教えているうちに、これはできたらだいたい次はこれができる、みたいなこれまでのデータが積み重なって、これから教える過程を予測できるようになるんですね。
当然それはただの統計的なデータなので、Aさんはこれができたからあれがすぐできたけど、Bさんはこれができたのにあれがなかなかできない、そんなことはままあるわけです。そんなときはBさんに対しての個人的なアプローチを考えることになります。それこそマンツーマンレッスンの醍醐味ですね。
しかし、そういうことを念頭に置いておいても、講師側は言ってしまえば「できる」側の人間で、生徒さんはまだ「できない」側の人間です。「できない」側に立って指導するのが講師の役目です。ですがどうしても「できる」側の目線で見てしまうことがあります。そんなとき、講師側が生徒さん側に求めすぎたり、良かれと思って言ったアドバイスが生徒さんの負担になってしまったりすることって、簡単に起きてしまうのでしょう。
ちなみに上のツイートをした講師の方を非難するつもりはまったくありません。むしろ戒めを与えてくれて感謝しています。間違ったことを言っちゃダメという風潮は間違いですよね。そこから新たな議論が深まったりするわけですし。

技術の完成はない、だから気楽に!

僕はドラム講師ですが、「できるけどどうやってるのか説明できない」ものは未だにめっちゃたくさんあります。それらを言語化するために、生徒さんの前で体現するために日々研究をしています。
例えば、ダブルストロークについて僕が生徒さんにわかってほしいレベルが10だとすると、おそらく1から4くらいまでは頑張れば数週間でわかると思います。でもおそらく4から8くらいまでは数年かかると思います。8から10に関しては僕も未だに到達していないと思ってください。なんとなく理解しててあと数年練習したらわかるかも、みたいなのが僕にとってのレベル9とか10です。
楽器に限らず、おそらく技術ってそういうものですよね。皆さんはそこに勇気を出して足を踏み入れたのです。本当に素晴らしいことだと思います。一生かかっても完成を見ないものに足を踏み入れたのです。なので焦ることはないと思います。自分のペースでうまくなっていけばいいと思います。そのために僕が知っていることは全部伝えたいと思っています。色んな練習しているうちに自分のできることが徐々に深まって、きっと人生が豊かになる。フォームだけでもいい、フォームだけでも出来たらきっとこの後の景色が違ってくる。どうせ技術は完成されないんだから、気楽な気持ちで良いんですよね。このことについてはまた別ブログを書こうと思います。楽しくいきましょ(^^)
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